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この社は元、渋谷八幡宮と称したが、金王丸の名声に因み改称したものである。金王丸は平治物語や平家物語などにも登場する武将。この神社の本殿右手に1本の櫻があり、丁度満開だった。この櫻の元木は、源頼朝が奥州征伐の帰路立ち寄り、金王丸の忠誠を偲んで鎌倉の館より移植したものとされている。花の種類は八重と一重が交ざって咲く珍しいもので、現在の樹は先の宮司が大正の始め、実生から育てたものという。境内には芭蕉の「しばらくは花のうえなる月夜かな」や一茶の「名木も何代目ぞやかこむ鳥」などの句碑がある。江戸時代初期から白山神社の旗櫻、柏木・圓照寺の右衛門櫻と共に江戸三名櫻の一つに挙げられていた。昭和57年(1982年)区の天然記念物に指定。 |